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阿仙原の夏


 夏の阿仙原は「あらとうと青葉若葉の日の光」(芭蕉)「分け入っても分け入っても青い山」(山頭火)の句がよく似合う。

 ホトトギス(時鳥・雀公鳥・不如婦・沓手鳥の別名がある)が、「テッペンハケタカ」とけたたましい声で鳴く。所によっては「特許許可局」や「包丁カケカタ」と鳴いたりするという。ウグイスが谷渡りしながら処々で鳴く。尾長の鳴き声や山鳩の声もする、後は静寂が支配する。耳を澄ませば谷間を吹き上げる風の音や樹の鼓動を聴くことができる。

 40年前まで里山であった阿仙原の棚田は、杉林となって入る人も無かった。思い切って間伐し、雑木を片づけて果物を植えたり、山葵田を整備したり、シイタケ、ナメコ、シメジの菌を植えて伏せた。

 都市の生活者家族が気分転換と英気を養えるような癒しの「総合病院」にしようと、棚田の貸し付けを始めた。昔の田圃一枚づつ貸し、家族で心地よい汗を流して山の幸を受け取り、バーベキューを楽しみながら休日を過ごす。

 まだ緒についたばかりであるが、やがてビジターセンターを整備し、里山人の交流が持てるようにと夢は広がる。(2004年6月3日)

 森の駅






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