[PR]テレビ番組表
今夜の番組チェック

阿仙原の四季


三椏(ミツマタ)の花

 「地図には見当たらないが阿仙原はどこにあるの?」「朝田川の源流でね、大歳の朝田停留所から3キロ奥に入った榾木山と秋葉山に囲まれた小さな盆地で昭和39年まで3軒の農家があったよ。絵図(地下上申絵図(1753)を見ると、江戸時代には8軒の農家があって、秋葉山を通って法満寺にでる道小郡の藪台から入った原河内に出る道も描かれているよ。」「そこからじいちゃんは大歳小学校や鴻南中学校に毎日通ったのだよ。学校まで片道6キロもあってね、は暗いうちに起きだして、帰りは真っ暗で恐ろしかったなあ。電気のないランプの生活であったが、春なると美しい花が咲いたよ。大歳小学校の伊藤梅彦先生が「大歳民謡」を作って、矢原や周囲のことを織り込んだ歌詞も残っているよ。「/馬庭・阿仙原ほんとうに仙境よ/山の中とて花は咲く/」というもので、春になると花が本当に美しい仙境になるんだ。家族みんなで森林浴にくると元気になるよ。

 今は春、阿仙原は、段々畑に杉を植えて山を下り、そこは鬱蒼とした杉林になって猟師以外には入る人も無かった。杉林を間伐し、林道も修理して貰って乗用車が入れるまでになった。間伐した杉林に光が届くようになってレンゲが一斉に花を咲かせ始めた。長い間杉林の中でひっそりと生き延びてきたレンゲの生命力に驚いた。杉林の中に三椏を植え、育てているが、冬に葉を落とし、暖かくなると、三つに分かれた枝先に花房をつけて黄色い花を咲かせる。さらに葉っぱを広げて3年で刈り取れるようになる。華材にも使えるし、皮を剥いで晒すと和紙の原料となる。楮と一緒に漉かれて証券や賞状に使われる。今ではこれを中国に送って晒し、精製して原材料とし、紙幣となって世界中に流通している。


阿仙原Shan-gri-laの森

 夏の阿仙原は「あらとうと青葉若葉の日の光」(芭蕉)「分け入っても分け入っても青い山」(山頭火)「分け入れば水の音」(山頭火)の句が良く似合う。

 ホトトギス(時鳥・雀公鳥・不如婦・子規の別名がある)が「テッペンハゲタカ」と森の静寂を破る。鳴いて血を吐く鳥という悲しい物語もある。ウグイスが谷渡りしながら処々で鳴く。鳴き方も流暢になったものだ。瓢箪叩きのボコボコと鳴く鳥や尾長や山鳥の声も聞かれる。後はまた静寂が支配する。耳を澄ませば、谷間を吹き上げる風の音や樹の鼓動を聞くことができる。風はひんやりとして心地良い。

 四十年前まで里山であった棚田は鬱蒼とした杉林となって、猟師以外は入る人もなかったq。思い切って間伐し、雑木を片付けて、果物を植え、ワサビ畑を整備した。シイタケ、ナメコ、シメジ、クリタケ菌を植えつけて伏せた。自然歩道を整え、釣り場もある。ホタルも山椒魚もメダカもいるよ。

 忙しい都会の生活者が気分転換と英気を養えるような、癒しの森として「阿仙原・シャングリラの森(不老長寿の森)」と名づけて棚田の貸付を始めた。昔の田圃を一枚づつ貸して、家族で心地良い汗を流し、山の幸を受け、バーベキューを楽しみながら休日を過す。まだ緒についたばかりであるが、森のオーナーは只今20家族。やがてビジターセンターやバンガローを整備し、里山交流が持てるようにと夢は広がっていく。

 マイペースで人生を楽しもうという「スローライフ」の人たちよ!
 阿仙原に全員集合!

夏過ぎて

 「移り来てお彼岸の花ざかり」(山頭火)
 お彼岸の日には決まって花を咲かせる曼珠紗華は朝田川を真っ赤に染める。今年は熱帯夜が続き、続いて台風十六号と十八号が来襲して、すっかり植物の体内時計を狂わしてしまい、一週間前に咲き揃った。台風は杉を何百本と倒し、アスファルトで舗装された林道も処々に亀裂が生じ、倒木が道を塞いだ。秋は白秋ともいう。

 赤い曼珠紗華とともに、白百合、サザンカの白い花が阿仙原を彩る。急に気温も下がり、すっかり秋の気配が漂う。高い空に仲秋の月が顔を出す。台風のおかげで倒風木が大量に出た。切断して、椎茸、ナメコ、シメジ、クリタケ菌の植え付け準備に忙しい。昨年伏せたシイタケも、やがて大きな笠をつけて発生してこよう。棚田のオーナーもジューシーなキノコの収穫を楽しみに、切り開いた散策路や山小屋の後始末に余念がない。

 秋といえば「秋の七草」。山上憶良の「萩の花 尾花葛花撫子の花 女郎花また藤袴 朝顔の花」(万葉集)とある。秋の七草をまとめて見たいという人には阿仙原がお勧め。朝田バス停から北へ3キロ、乗用車でも楽々のぼれますが、大型車は一部崩れ落ちたところもあって危険です。

 天高く実りの秋。河内、馬庭の黄金色の田んぼも刈り取られ、山の幸がふんだんの季節。柿、栗、山葡萄、ゆず、あけび、」きのこも熟れて実をつけた。もっとも最近はあれだけ採れていたマツタケは松が枯れて、山に入っても匂いすらしなくなった。台風で、動物の好物・どんぐりなどの食べ物がなくなったせいか、最近猪(イノシシ)、狸(タヌキ)、狐(キツネ)、兎(ウサギ)も里近く降りてきて餌を漁るようになってきた。さすがに熊には出会っていないが、鹿の足が食残されているのを見ると熊に出会わなかった不運を嘆くよりも、山鳥、トンビの声を聞くだけでも気分爽快になりますよ。森林浴と食欲を満足させるに充分な阿仙原にご家族でいらっしゃい。

 阿仙原このあたりから北3キロ



戻る