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歌謡蚤の市

 「故郷はいいなあ」と、ラジオの星野哲郎さんの声が聞こえる。人生の応援歌を四千曲作り、都はるみ、水前寺清子、山本譲二、島津亜矢さんら多くの歌手を世に送り出し、音楽著作権協会の会長として活躍している懐かしい声である。

 星野さんは小金井市の公民館時代に何度か講師になって貰い、その後「若くない広場」を作って、中年の飲み仲間が時々「真澄」に集まって飲んで騒いでいた。そこでは星野さんは会長みたいなもんで、会長が都合がつかなければ中止となる。会長の作詞のエピメ[ドが面白かった。新宿のバーのドアが開かない「押して駄目なら引いてみな」と、朝方便所に立って「とても我慢が出来なかったよ」といった名フレーズはこうして歌になった。
 私の高校時代にかれは体を壊して、山高前の共済病院に入院していた。ベットで詩を書き懸賞に応募し、やがて東京に出て三鷹に住んだ。何度か梶野町の家を訪問したことがある。トロフィーが大広間一杯に飾られていた。教育委員として毎月の会議でも、いつも人なつっこいニコニコ顔であった。

 星野さんの出身地・大島郡東和町へ車で駆けつけた。「作詞家生活50周年記念・全日本演歌蚤の市」が陸上競技場で開かれた。暮れなずむサザン瀬戸を眺めながら演歌を聴いた。