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道男の随筆

オンリー1 少肉多菜 ハタケシメジ 冬の色 冬の音 

野猪防除の話

 最近猪が我が家の近くまで出てきて、田の畦はミミズを探して掘り返した跡が方々に見られる。阿仙原に上がる林道でもジープと追っかけっこする時もあって、なかなか憎めない愛嬌のある動物であるが、被害も多くなっている。
 昭和11年に「大歳村野猪防除組合」が結成され、河内の石川孝雄宅奥の通称「休み場」に柵(木の棒で周囲を囲ったもの)を作り、中にサツマイモを植えてワナで捕獲した。このワナに三五貫目(約130kg)の猪が掛かり、稲子田宅(高井)で獣鍋にして食べたという。
 この捕獲が組合にとって記念すべき百頭目だというので、全員集まり「百頭捕獲祝い」の写真を撮ったという。日付は昭和18年12月5日となっており、藤井又一、佐々木留土、宮成俊介、白上○○(黒川)、白上譲、志賀○○(高井)、豊嶋初一、石崎○○(勝井)、磯部正次さんではないかと思われる。もう60年前の写真であるから生きておられる方も少ないと思われるが当時の話を聞かせて欲しいものである。
 さて阿仙原で昨年は18頭の猪を捕ったという。最近は山が針葉樹に被われ、食糧となる栗やドングリも無く、食べ物を求めて里に出没するようになって来た。捕獲頭数も、平成5年で県下6556頭が昨年は1万500頭、今年は既にその数を上回っている。(平成15年11月6日)

 捕獲した猪の解体風景

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オンリー1


「おおとし宝箱」という30ページばかりの小冊子を公民館で配布している。
「ぶちええネットワークIN大歳」の副題で住みよい町づくりを目指した大歳再発見のレポートである。郷土大歳の紹介から大歳自慢、大歳の宝人をインタビューして紹介している。
 スタッフの一人は「流行の歌ではないけれど”ナンバー1よりオンリー1”どこにもない、どこまでも大歳らしい人や風景との出会いに感激」と記している。
 大歳でできたらいいことには「大好きな花作りを通してオープンガーデン交流をしたい」「椹野川沿いの草やゴミの除去をみんなでできないか」「子供や高齢者、障害者に優しいまちかどうか再点検したい」「椹野川はゲンジボタル発祥の地、支流の朝田川をホタルの里にできないかな」「山の活用、イノシシが遊ぶのではなく人が遊べる山、でも自然は壊さない」「郷土おおとしのあゆみを活用した行事」「神秘的な朝田神社をもっと活用」などの町づくりのヒントがいっぱい。
 人材を発掘し、担い手、新たな仕組みを作って地域を活性化する。異なる価値観や考え方を大切にしながら地域住民の手で解決していくのは正に住民自治の神髄であろう。私もその戦列にできるだけ参加しながら一緒にやって行こうと考えている日々である。(平成15年11月13日)

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少肉多菜

 朝市を始めてほぼ二ヶ月が経過する。毎朝八時から十時まで流通センターの入口の「ふるさと村」の店先で新鮮野菜を売っている。
 もっともまだ野菜農家が二人で、供給が間に合わない。そこで「大歳ふれあい市」から野菜を買って品数を増やして再販している。そこで野菜は水曜、土曜しか販売できないが、他の日は日持ちのする里芋、薩摩芋、柿、自然薯、南瓜などを用意して毎日続けている。仕入れた野菜が残ることも度々で、妻に買って貰って毎日青物野菜が食卓を賑わす。
 日本人の体は野菜中心に出来ていて西洋人より腸の長さが2〜3メートル長い。「俺は青虫か?」というほど野菜を食べていると朝の便は黄色く、便器にポカリと浮く程に消化されて、体調はすこぶる良い。
 江戸中期の俳人、横井也有の「健康十訓」という健康法がある。@少肉多菜(肉は程々に野菜を多く)A少塩多酢(塩分少なめ酢をたっぷり)B少糖多果(果物をたくさん)C少食多多噛(腹分目良く噛んで)D少衣多浴(厚着はしないで風呂は毎日)E少車多歩(車を降りて歩け歩け)F少煩多眠(煩いなく眠ろう)G少忿多笑(怒るな笑え)H少言多行(口舌は不要実行あるのみ)I少慾多施(ケチケチするな施せ)。まあ自分で点数をつければ60点@ABは特に優秀である。(平成15年11月20日)


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ハタケシメジ

 山口県林業指導センターが99年開発したハタケシメジの新品種を農林水産省が品種登録したと新聞が報道した。早速インターネットで調べて見ると従来種と比べて栽培が容易で、ハウスであれば新たな設備投資を必要としないで栽培できる。
 ハタケシメジは「香りマツタケ、味シメジ」といわれるホンシメジと同じシメジ連シメジ属に属するキノコで、一般的に「シメジ」として流通する「ブナシメジ」よりホンシメジに近いという。
 アルギニンやビタミンB1などを多く含むことから、健康食品としても注目を集めている。
 従来のハタケシメジは瓶の中に菌床や特殊堆肥を詰めて生産する。昨年はシメジ菌をトロ箱に詰めて栽培してみたが乾燥して失敗であった。瓶の底に水が溜まるのを防ぐために周りを高湿度に保って水分を補給する方法がとられる。高湿度にするための施設が必要であるが、センターの開発したハタケシメジはハウス内のプランターに菌床と畑の土を入れ上から水をかけるだけで育つという。これまでの研究では二、五キロの菌床から六百グラム程度のシメジが育つという。
 プランターに二つずつしか菌床を入れることが出来ず大量生産は難しいようだ。早速仁保農協に行って菌を掛け合ったが、来年一月まで待って欲しいとのこと。早速注文だけを頼んできた。(平成15年11月27日)

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雪の色

 冬は氷の意味である。「冫(にすい)」と満ちる意味の「夊(しゅう)」から成り立っていて寒気の満ちる「冬」を表していると「ことばの四季」で荒井和生さんが書いておられる。冬といえばシベリア寒気の筋状の雲と北風のイメージであるが北を「ほく」と読むのは暗い黒い意味の「墨(ぼく)」から来ているようだ。
 今年の私にとっては「総天然色」の年であったが、冬の色はやはり黒が一般的、春は青春の青、夏は朱、秋は白秋と言われる白であるが、私にとっての冬の色は黒でなく白である。
 清里の少年自然の家に勤めていたこともあって、清里のマイナス15℃の霧氷の朝、ピンと張りつめた静寂が好きだ。木々は霧氷でキラキラと光って美しい。高地であるので乾燥した雪が山裾から吹き上げてきて粉雪が舞う。ゲレンデはカチカチに凍って負傷者も多い。
 我が家付近は毎朝霧が発生して灰色に染められる。雪もボタ雪が多くまだら模様を残す。阿仙原はは山口盆地より二℃ばかり低いが、それでも雪は間もなく溶ける。」ちなみに木を伐る響きを「冬瓏(とうろう)というが、最近はチエーンソーの音で騒々しい音だ。(平成15年12月11日)

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冬の音


冬の音といえば、ある人にとってはジングルベルの音であったり、除夜の鐘の音、吹雪く波の音、木枯らしの音だったりする。
 私は最近しきりに東京のちんちん電車の音を夢の中で聴くこともあるが、阿仙原で聴く鳥や動物の声、SLの汽笛、小郡町選挙カーの音を聴いて懐かしむ。冬の阿仙原でゴーという風の音に混じってカラスがうるさいほどに鳴く。5時を少し過ぎると朝田付近を通過する蒸気機関車のボーという長い汽笛が聞える。汽笛を合図に作業を止めて帰り支度を始める。
 尤も十月初めからら新山口駅の「のぞみ」に接続できるよう4時40分に早まった。暮れるのも早くなったので急いで山を下りる。裏山の原河内まで乗り入れた選挙カーの音が七曲峠を越えて聞える。イラク派遣を間近にして自衛隊の練習機の音もする。
 平成八年環境庁(現環境省)が「残したい日本の音風景」百選を選んだ。山口線の「SLの音」と関門海峡の「潮騒と汽笛」。
 音(オト、オン、イン、ネ)は英語では」sound,noise,the rore,といい古語は「男久しくおと(たより)もせで」(伊勢物語)「鳴く鹿の目には見えずしておと(声)のさやけさ」(古今集)と使う。(平成15年12月18日)

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